Pocket

EMDRを用いたトラウマ治療の中では、様々なトラウマの解決パターンがあります。

 

①事件の前後を思い出す

このパターンは、最も多いパターンです。フラッシュバックしている記憶は、繰り返されているうちに、その事件を象徴する出来事のように感じられてきます。

しかし、フラッシュバックの事前・事後には様々な記憶が実は存在しています。例えば、夜中に父親がDVをしている様子を目撃してしまったとします。しかし、EMDR中に、その後に母親が父親に言い返したことや、自分を連れて出て行ったことなどを思い出すことがあります。そうしていくと、「お母さんを助けられなかった」という罪責感が少しづつ収まっていくようになっていきます。

 

②記憶の中のイメージの動きが止まる

フラッシュバックの記憶は、完全な写実的なイメージではない場合もあります。特に、幼いころに経験した記憶では、その記憶の中に何かぐるぐるしたもの、黒いもののように、なにかうごめいている気持ち悪い物体が入っていることがあります。この動きがEMDRをやっている中で止まることがあります。そうすると、その記憶が怖い記憶だと感じなくなっていくのです。

 

③記憶が現実にはありえないイメージになり展開していく

このパターンもよくみられます。例えば、いじめをうけていた人が、その後の人生で何かの力をつけている場合は、そのいじめの加害者達に対して復習している場面が浮かんできたりすることもあります。また、虐待等の場合は、加害者と仲直りしていく場合もあります。

 

④身体感覚だけが動いていく場合

この場合、少し解離が生じている場合もあります。身体感覚だけが呼び出され、その身体感覚が形を変えていき、最後には体を抜けていきます。これは、このようなパターンがあるというより、一部分としてこのような側面があります。

 

⑤その時なかったが、今あるものを自覚する

ここからは、少し自我状態療法等のからみも出てくる解決の方法です。人間の人生というのは常に何かを得ながら前に進んでいきます。トラウマを経験した時には、持っていなかったものを今は持っている場合があります。例えば、「自分には助けてくれる人がいない」とう考えが、EMDRの中で「今は、助けてくれる人がいる」という感覚を生み出すことがあります。そのためには、自我状態療法も同時に行います。そうると、その瞬間にトラウマが消えることがあります。別の表現をすれば、もうそのトラウマは二度と経験しない。という感覚が生まれるという感じでしょうか。

 

⑥その時にあった気持ちを、今の自分が受け止める

例えば、そのトラウマを経験した際に、目の前で大切な人を亡くしてしまい「あの時、○○さえしておけば…」と自分を責めていたとしましょう。しかし、自我状態療法やEMDRをしていく中で、「あの時、私は悔しかったんだ。」「悲しかったんだ」という自分の気持ちに気がつき、トラウマが消えていくこともあります。

 

まだ、色々とパターンはあります。どのパターンにも共通していくのは、人がどうトラウマという出来事に対して落とし所をつけるのかという点では全く同じだということです。何らかの自責感があって苦しいのならば、責任が自分だけにないことを実感していくことです。

何らかの気持ちのわだかまりや、葛藤があるとEMDRをやっていく中で、処理が止まってしまうのです。そんな場合は、自我状態療法を併用していきます。

 

Pocket

カテゴリー: EMDR