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トラウマ記憶に面したときに起こる一つの反応として、「なぜ、私がこんな目に会うんだ」と自問自答するような反応があります。

このような場合、必然的に「怒り」が出てきます。自分は、こんなひどい場面に会いたくてあったわけじゃないという怒りです。

「いじめさえ受けなければ、自分の人生は、こんなに狂わなかった」、「あの犯人がにくい。あいつがのうのうと暮らしているなんて、許せない」「他の人は、普通の生活に戻っているのに、なんで自分だけが苦しんでいるんだ」など、様々な怒りが出てきます。

この感情に対してEMDRをしていくと、「確かに不幸な目にあってしまったが、仕方がない」「最悪なことばかりではなかった」ということが少しづつ増えていきます。

なぜ、このような感情が出てくるかと言うと、自分の人生の中での他の体験と結びついていくうちに、自分がトラウマを体験したことを受け入れられるようになるからです。

例えば、10個の白いボールのうちの1つのボールが黒く塗られていると目立ちます。しかし、白いボールを15個に増やしたらどうでしょうか? では、20個では? というように、EMDRではポジティブな体験をとなりにおいていくわけです。そうすると、受け入れやすくなります。

正確には、EMDRは白いボールを増やすわけではありません。白いボールが見えなくなっているものを見えるようにしていく作業なのです。また、ボールの大きさを大きくする作業も行います。

『トラウマ体験は、自分のとって小さなことにはならないけれど、そのトラウマ体験だけでは自分の人生の意味を損なうことにはならない。』そういう実感が、受け入れやすくなっていきます。

 

 

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カテゴリー: PTSD トラウマ